簿記1級を独学でとってやる!!
と意気込んではみたものの、一番重要なテキスト選びで迷っている方も多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
ググっても色々出てきて、全部で何冊あるのかすらよく分かりません。
- どの出版社があるの?
- テキスト、問題集、過去問など、シリーズ全部で何冊なの?
- 値段は?
- 評判がいいのはどこ?
- 結局、なにをどれだけ買えばいいの?w
などなど、全体像がつかみにくい簿記1級のテキストについて、まとめてみました。
簿記1級のテキスト選び
簿記1級は、市販のテキストが充実しており、独学でもがんばれば受かると言われます。
一方、簿記1級とよく受験を迷われる税理士の科目・簿記論と財務諸表論。
こちらは市販テキストはあまり充実しているとは言えず、学校に通う方、通信講座を受ける方、独学でも専門学校のテキストをネットで入手して勉強する方が多いようです。
せっかく入手しやすい市販テキストで、独学で受かる可能性のある簿記1級。
重要なテキスト選びでつまづきたくないですよね。
きちんと比較検討して選べるようテキスト情報を網羅的にまとめましたので、参考にしてください。
簿記1級のテキストを出版している会社
TACと大原は、大手の資格の専門学校ですね。
ネットスクールは、簿記や税理士の書籍の出版や、WEB講座がメインの会社です。
基本的に、この3社のテキストから選べば間違いないと言われています。
が!!!
大原のテキストは、ここ3年度にわたる商業簿記の範囲改定に対応していないためか、公式サイトでの商業簿記のテキスト販売はありません。(2019.6現在)
改定のなかった工業簿記のテキストのみの販売となっていますので、注意してください。
※楽天やAmazonにあるものは、改定前の2015年のものでした。
つまり、独学者の選択肢は、TACかネットスクールの二択となります。
簿記1級のテキストの種類
上記3社のテキスト一覧です。
※今後改定に対応する可能性があるので、大原も取り消し線をして念のため載せています。
※第153回の簿記検定時点では、大原は使わない方がいいと思われます
教科書&問題集セット(シリーズ別)
※商=商業簿記・会計学
※工=工業簿記・原価計算
※赤字は各公式サイト限定のお得なセット価格
会社 | シリーズ | 内容 | 商 | 工 | 計冊数 | 定価税抜 |
---|---|---|---|---|---|---|
TAC | スッキリわかる | テキスト+問題集8冊 | 4 | 4 | 8 | 15600 12480[20%off] |
簿記の教室 | 簿記の教科書6冊 簿記の問題集6冊 | 6 | 6 | 12 | 15600 12480[20%off] | |
よくわかる簿記 | 合格テキスト6冊 合格トレーニング6冊 | 6 | 6 | 12 | 24400 19520[20%off] | |
NS | とおる簿記 | TEXT 6冊 EXERCISE 6冊 ※基礎編1・基礎編2・完成編各4冊 | 6 | 6 | 12 | 25200 21420[15%off] |
サクッとうかる | テキスト6冊 トレーニング6冊 ※基礎編1・基礎編2・完成編各4冊 | 6 | 6 | 12 | 22400 19040[15%off] | |
問題集6冊 |
※定価内訳メモ
2000*4+1800*3+2200=15600
1200*6+1300*3+1500*3=15600
1800*2+2000*6+2200*4=24400
1800*2+2000*4+2400*2+2200*4=25200
1800*8+2000*4=22400
1300*12=15600
過去問題集(シリーズ別)
会社 | 内容 | 詳細 | 定価税抜 |
---|---|---|---|
TAC | よくわかる簿記 過去問題集1冊 | 最新回含む過去14回分 | 2600 |
NS | だれでもとける過去問題集1冊 講師が選んだ過去問題集1冊 | 最新回含まない 過去問ママでない編集された問題 税理士・会計士の本試験問題も収録 | 各2400 |
大原 | 過去問題集1冊 | 最新回含む過去10回分 | 2000 |
予想問題
- TAC:あてる TAC直前予想(4回分)2200円
- TAC:網羅型完全予想問題集(8回分)2800円
- NS:ズバリ1発的中 完全予想模試&必須過去問(模試2回分+過去問2回分)2000円
模擬問題
- NS:模擬試験問題集 商業簿記・会計学(6回分)1400円
- NS:模擬試験問題集 工業簿記・原価計算(6回分)1400円
その他の参考書等
上記一覧のほかに、参考書があるものをピックアップしました。
こちらは、大原も2019年度受験対策版となっています。
- TAC:究極の会計学理論集 1500円
- TAC:究極の計算&仕訳集 1600円
- 大原:理論問題集 1200円
- 大原:ステップアップ問題集 商業簿記・会計学 2000円
- 大原:ステップアップ問題集 工業簿記・原価計算 2000円
念のためメモ
- TAC:スッキリわかるの「過去&予想問題集」は1級ではない模様
- TAC:予想&出る順テキスト「無敵の簿記」も1級ではない模様
以上です。
これらを踏まえて、必要なものを選ぶ必要があります。
簿記1級のテキストの評価・傾向
各教科書&問題集セットの傾向、一般的な評価や口コミをまとめました。
これらの情報を参考として、ご自身で本屋で一度ながめてみましょう!
シリーズ | 傾向 | 向いている人 |
---|---|---|
【TAC】 スッキリわかる | ・キャラクターや図、状況説明が豊富でストーリー性あり ・他シリーズは全12冊なのに対し、これは全8冊と分量が少ない ・つまり、読み進めやすくて挫折しにくい ・過去問(実践レベル)との差がある ・なので間をつなぐ問題演習や過去問レベルへの自力での仕上げは必須 | ・初学者 ・ズラズラ文字だけ書いてあるテキストは苦手 ・2、3級でも同シリーズを使い、好みだった ・問題演習は当初より別シリーズでするつもり |
【TAC】 簿記の教室 | ・TACのweb講座(独学道場)で使用されるテキスト ・講師がいない前提であるため、独学でも比較的理解しやすい ・スッキリわかるより網羅性があり、癒し系なイラストもあり ・スッキリわかると同額の安さで、このシリーズだけで完結もできる ・つまり一番コスパが良い | ・独学者向き ・このシリーズのみで完成させたい |
【TAC】 よくわかる簿記 | ・TACの学校で実際に使われているテキスト ・講師の説明がある前提で、簡略的・羅列的な印象が否めない ・TACの本気が集約されており、網羅性があり詳しい ・個人で読んで理解できるテキストというより、講座用ハイレベルテキスト | ・独学には若干不向き、独学に自信がある人向け ・ひたすら読みこんで理解することが得意な人 ・細かい論点も隅々まで知りたい人 ・簿記2級までの基礎がしっかりできている人 |
【NS】 とおる簿記 | ・教材として、内容&理解させるための説明が、過不足なく完成されている ・「読んで分かること」について定評アリ ・基礎編8冊、完成編4冊という構成で網羅性あり ・他と異なり、難易度順の掲載というのが特徴的(好みが分かれる) ・2019年度試験に向けて、最新版へ改訂されていないのが気になる点 | ・独学者向き ・このシリーズのみで完成させたい ・論点は難易度順で学習をしたい ・時間がない(完成編の学習を捨てることも可能) |
【NS】 サクッとうかる | ・とおる簿記からさらに論点が絞られている ・図解が多い ・このシリーズのみで本試験レベルに達するには不安がなくもない ・とおる簿記との差は、商・工とも最新版に改訂されている点 | ・独学者向き ・問題演習を別シリーズでするつもり ・とおる簿記と迷っているが、最新版を使いたい |
簿記1級のテキスト基本構成
独学者にとって必要なテキストの基本構成です。
- 教科書&問題集セット
- 過去問題集
- 予想問題
最低限かつ必要十分なのは以上の3つです。
あれもこれも手広くやるより、決めたテキストを周回する方が良いです。
人によっては、これらに加えて模試や理解を補強するための参考書を使ってもいいでしょう。
教科書&問題集セットの選び方
教科書&問題集セットは、
- スッキリわかる テキスト+問題集
- 簿記の教室 簿記の教科書&簿記の問題集
- よくわかる簿記 合格テキスト&合格トレーニング
- とおる簿記 TEXT&EXERCISE
- サクッとうかる テキスト&トレーニング
以上の5つから選ぶことになります。
各シリーズの口コミを参考にしつつ、本屋で実際に手に取ってみて、自分が使いやすいものを選ぶのがベストです。
個人個人のそれまでの経験、理解度、価値観によって、人の口コミはあてにならなかったりしますし笑
同じテキストでも、人によってオススメだったり辛口だったり、評価は180度違っていますしね。
- 基本の学習順序で勉強をすすめたいか?
- それとも難易度別、頻出順に学習をすすめたいか?
- 図や表が多い方がいいか?
- 図や絵よりも、言葉で丁寧に解説してほしいか?
- キッチリお堅いテキストがいいか?
- キャラクターが具体例で解説してくれた方がいいか?
などなど、個人の好みや勉強の理解度などで最適なテキストは異なります。
世間で評判がよく、定番のこの5シリーズから、あとは自分で見て、合うと思ったものを買うのがベストです。
この5つのシリーズなら、ハズレはないと思います。
教科書&問題セットでなくてもOK
基本的に教科書&問題集は対応したものがセットになっています。
しかし、スッキリわかるシリーズ以外は別冊ですので、別々の組み合わせにすることも可能です。
例えば、
- スッキリわかる8冊+合格トレーニング6冊
- 簿記の教科書6冊+合格トレーニング6冊
- サクッとうかるテキスト6冊+とおる簿記EXERCISE6冊
なんて買い方もできるわけです。
よく聞くのは、スッキリわかる+合格トレーニングの組み合わせです。
スッキリわかるは、絵が多くストーリー仕立てで解説してあり冊数も少ないけれど、このシリーズのみで完璧かと言われると不安があるという口コミも少なくありません。
ですので、合格トレーニングなど他のシリーズの問題集と組み合わせて演習する受験生も多いようです。
このあたりも、やはり自分で本屋で見てみる必要がありますね。
最新版かどうか?
テキストが最新版かどうかは重要です!
特に、ここ3年、改定の多かった商業簿記については要チェックです。
テキストの最新情報はこちらに掲載していますので、ぜひご確認ください。
過去問題集の選び方
教科書&問題集は選択肢が5つありましたが・・・
過去問題集は「TAC よくわかる簿記 過去問題集」の一択かなと思います。
ネットスクールは過去問題集というより手が加えられている上に税理士・会計士の過去問まで含んでいますし、大原はTACより収録回数が4回分少ないです。
純粋に簿記1級の過去問を解きたい!という方は、TACが良いでしょう。
もちろん、大原の解説の方が自分には合うという方や、ネットスクールの編集された過去問も興味ある、という方はそちらも見てみてくださいね。
予想問題の選び方
予想問題集は、TACの「あてる TAC直前予想」「網羅型完全予想問題集」の二択と思います。
時間が無ければあてる(4回分)、余力があれば網羅型(8回分)を選択すればよいでしょう。
簿記1級のテキスト販売 公式サイト
改めて簿記1級のテキスト販売の公式サイトを掲載しておきます。
しっかり最新版を確認して購入してくださいね。
おわりに
以上、独学者のための簿記1級テキスト一覧でした。
自分にぴったりのテキストを選んで、合格できますように!
検討を祈ります。